起業を思い立ったとき知っておきたいこと<その10>
定款 - 相対的記載事項 Part.3
引き続き定款の相対的記載事項です。
定款の相対的記載事項
(1)変態設立事項
(2)設立時発行株式に関する事項
(3)発行可能株式総数
(4)監査役、代表取締役、会計参与、会計監査人の設置
(5)取締役会、監査役会の設置
(6)株式の譲渡制限に関する定め
(7)種類株式に関する定め
(8)株主名簿管理人の設置に関する定め
(9)役員等の責任の減免に関する定め
(10)剰余金配当の定め
(11)取締役会の招集通知期間の定め
(12)役員等の任期の伸長
(13)取締役の選任についての累積投票の排除
(14)株券発行の定め
(15)単元株式数
(16)補欠監査役の任期
(17)清算人の定め
(9)役員等の責任の減免に関する定め
イ、 取締役、監査役等の役員等の株式会社に対する責任は、総株主の同意がなければ免除することはできませんが、監査役設置会社は、役員等の任務懈怠責任について、その役員等が職務を行うにつき、善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、その役員等の職務の状況、その他の事情を勘案して特に必要があると認めるときは、会社法425条第1項の規定により免除することができる額を限度として、取締役の過半数の同意によって免除することができる旨を定款で定めることができます。
ロ、 社外取締役、会計参与、社外監査役または会計監査人の任務懈怠責任について、これらの者が職務執行につき善意・無重過失のときは、会社と責任限定契約(すなわち、定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と、最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約)を締結することができる旨を定款で定めることができます。
(10)剰余金配当の定め
剰余金の配当は、株主総会の決議でいつでもすることができますが、取締役会設置会社では、1事業年度の途中において、1回に限って取締役会の決議により剰余金の配当をすることができる旨を定款で定めることができます。
(11)取締役会の招集通知期間の定め
取締役会の招集通知は会日の1週間前に発しなければなりません。ただし、この期間は定款をもって短縮することができます。
(12)役員等の任期の伸長
取締役の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結のときまでと法定されていますが、非公開会社(『株式の譲渡制限に関する定め』のある会社)は定款を持って、選任後10年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結のときまで伸張することができます。
同様に、監査役の任期も選任後4年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結のときまでと法定されているところ、非公開会社の場合は、選任後10年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結のときまで伸張することができます。
(13)取締役の選任についての累積投票の排除
株主は取締役の選任につき、累積投票によることを請求できますが、定款で累積投票を排除する旨の定めをすることができます。
(14)株券発行の定め
会社法は株券不発行を原則としているため、株券を発行しようとする場合には、定款にその旨を定めなければなりません。
(15)単元株式数
一定の数の株式をもって、株主が株主総会において1個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨を定款で定めることができます。
(16)補欠監査役の任期
任期満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期を、定款をもって退任した監査役の任期満了のときまでとすることができます。
(17)清算人の定め
会社が解散した場合に、清算人を誰にするかを定款に定めておかなければ、解散時の取締役が当然精算人に、代表取締役は代表清算人になります。尚、株主総会で別の精算人を選任することもできます。