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6 定款 - 絶対的記載事項 Part.2 会社の商号

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起業を思いたったとき知っておきたいこと<その6>

定款 - 絶対的記載事項 Part.2  会社の商号

b.会社の商号に使える文字について

商号には、まず文字として、日本文字、アルファベット、アラビア数字を使うことができます。

更に、次の記号も使ってよいとされています。

『&』 アンパサンド
『’』 アポストロフィー
『,』 コンマ
『‐』 ハイフン
『.』 ピリオド
『・』 中点

ただし原則として、記号は字句を区切る場合にだけ使用することができ、商号の先頭または末尾に使用することはできません。

ただ、ピリオドだけは省略を表すものとして商号の末尾に使うことを認められています。

さらに、ローマ字を使って複数の単語を表記する場合に限って、その単語の間を空白(スペース)で区切ることも可能とされています。

 

(1)具体的で可否を見てみましょう。

(認められる例)
東京・ABC・2002商事株式会社
株式会社D.G.
大阪Air Cargo株式会社
株式会社A&B
株式会社dot-com

(認められない例)
‘70株式会社 (会社の種類を表す部分を除いた商号の先頭に符号を用いているため)
株式会社&A(同上)
株式会社・(符号が字句を区切るものでないため)
株式会社TOKYO,.(コンマが字句を区切るものでないため)
鈴木 太郎株式会社(日本文字の間にスペースがあるため)

 

(2)次に文字以外に関する法令等による制限を見てみましょう。

ア)株式会社はその商号中に『株式会社』と漢字で入れなければならない。
前でも、後でも、中間でもかまいません。つまり例えば“東京商事株式会社JLO”も認められるということです。

イ)銀行業、保険業、信託業等の公益性の高い事業については、法令の規定により、当該事業を営むものはその商号中に『銀行』『生命保険』『信託』等の文字を使用しなければならず、それ以外の者は銀行、保険会社、信託会社当であると誤認されるおそれのある文字を使用してはならないとされる場合が多い(銀行業法、保険業法、信託業法等による制限)

(この名称使用制限に抵触するとされたもの)
株式会社野村保険
株式会社信用身元保証協会
株式会社○○信託

(この名称使用制限に抵触するとされたもの)
株式会社データ・バンク
株式会社山田総合保険事務所
株式会社NPO(特定非営利活動促進法4条には違反しないとされた例)

ウ)公序良俗に反する商号の禁止
良し悪しの判断がなかなかビミョーな制限ですが、根拠は『公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする』とある民法90条です。

エ)その他
・会社本店の商号中に『支店』『支社』『出張所』という文字を用いて登記することはできない。
・会社の商号中に『代理店』『特約店』という文字を使用することは差し支えない。
・会社の商号中に『事業部』『不動産部』『出版部』『販売部』のように、会社の一営業部門を示すような名称を用いることはできない。

オ)同一商号・同一本店の禁止
他の会社が既に登記した商号と同じ商号で、かつ、その本店の所在場所が同じ、というのは認められません。誤解による混乱を回避するためだそうですが、あえてそんな会社を作るって、なんかいかにもアヤシイと思ってしまうのは私だけでしょうか?

ちなみに、平成18年の会社法の施行により、それまでの同一市区町村内に同一の商号をつけて、同一の営業を行うことはできないという、いわゆる“類似商号の禁止”の規制はなくなりました。

当事務所では、会社設立のご依頼の際には、念のため、必ず管轄の法務局に足を運び、同一又は、混同の可能性のあるよく似た商号がないか調査をしています。
※『商業登記ハンドブック』松井信憲著(商事法務)を参考に書かせていただきました。

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