増資とは?
会社の資本金を増やすことを『増資』といいます。
増資の目的は様々ですが、例えば、事業の発展のため、株主構成を変えるため、信用力を向上させるため、等が挙げられます。
株式会社の増資の方法にはいくつか方法がありますが、一般的に行われているのは、会社が新株式を発行する方法(募集株式の発行)です。
金銭等の財産を新たに出してもらうのと引き換えに、新規に株式を発行し、その新しい株主に株式を発行します。
募集株式の発行の大まかな流れ(第三者割当増資の場合)
1.募集事項の決定
株主総会または取締役会で、発行する株式の数や一株に対する払込金額(金銭以外の財産を出資する場合は、出資する財産の内容等)、払込期日等を決定します。
2-1.募集株式の申込又は総数引受契約の締結
発行する株式を引き受けようとする者発行する株式を引き受けようとする者がからの申込みを受けます。
会社とその総数の引受けを行う契約を締結します。
2-2.申込者に対する割当及び通知
株主総会または取締役会の決議で引受人を決定後、引受人に対して通知を行います。
3.払い込み
会社に金銭を払い込みます(金銭以外の財産を出資した場合、会社に財産を引き渡します)。
4.増資による変更登記の申請
5.登記完了(通常、登記申請から1~2週間後)
募集株式の発行では、以下のような出資の方法があります。
(1)会社が金銭の出資を受けるのと同時に、株式を発行し資本を増加させる方法(金銭出資)
(2)会社が金銭以外の財産の出資(給付)を受けるのと同時に、株式を発行し資本を増加させる方法(現物出資)
(2)のように、資本金はお金だけでなく「モノ(金銭以外の財産)」でも増やすことができます。
では、現物出資では、どんなものを出資したらよいのでしょうか?
もちろん、何でも出資してよいというわけではありませんが、「貸借対照表上、資産として計上できるもの」であれば、現物出資物とすることができます。
具体的には、自動車等の動産、不動産、株券などの有価証券、会社に対する金銭債権等が挙げられます。
会社に対する金銭債権を現物出資することを、特に、「デット・エクイティ・スワップ(DES)」(債務の株式化)といいます(デット=債務、エクイティ=株式、スワップ=交換)。
中小企業では、会社の社長や役員が会社に対して事業資金を貸し付けていることが多いと思いますが、その貸付金(会社側から見れば、「債務」)を株式にかえることで、会社の借金(債務)を減らし、資本金を増加させることができます。