本店移転の登記
会社の所在地を移転したり、住居表示実施により本店の住所が変更になった場合には、定款の変更や、本店移転の登記を申請しなければいけません。
本店移転は、定款の記載内容、本店の移転先によって手続が変わります。
同一市区町村への移転
会社の定款では、本店所在地は最小行政区画(市町村、東京の場合には特別区)まででよいとされ、そのように記載していることがほとんどです。
例えば、「大阪府大東市」と記載しているような場合です。
この場合、会社の本店を同一市区町村に移転するときは、定款を変更する必要はないので、取締役会の決議で本店の移転先と移転年月日を決めれば足ります。
他の市区町村への移転
これに対して、他の市区町村に移転するときは、株主総会の特別決議によって定款変更をする必要があります。
特別決議とは株主総会において、過半数の議決権を有する株主が出席し、議決権の3分の2以上の賛同が必要な決議です。
ただし、会社の本店を「大阪府大東市曙町3番8号」のように、定款に番地まで具体的に規定している場合には、必ず定款を変更後、本店移転登記をしなければなりません。
移転時には同一屋号に注意
また、他の市区町村に移転する場合、移転先にすでに同一・類似の商号で営業している会社がある可能性があるという点に注意が必要です。
移転先の地域で有名な会社と同一・類似の商号で同じ商売をしてしまったり,不正な目的で他の会社と勘違いさせるような商号で商売をしていると,商号の差止請求を受けたり,損害賠償請求を受けたり,あるいは信用回復措置請求をうける場合があります。(会社法第8条,不正競争防止法第2条1項1号・3条・4条・7条)
したがって,本店を移転する場合,後日のトラブル防止のため、事前に類似商号・目的の調査をおこなうことをお勧めします。
本店移転の登記期間
本店移転登記は、本店移転をしてから2週間以内(支店所在地では、3週間以内)に登記しなければなりません。
この期間を超えると100万円以下の過料に処せられる場合もありますので、早めに手続きをすることが重要です。
当事務所では,事前の類似商号・目的調査や登記申請の手続きをサポートいたします。
ご用意いただくもの
- 定款(現在の内容を確認するために必要です)
- 株主総会議事録(定款変更した場合。当事務所で作成することができます)
- 取締役会議事録(又は、取締役の決定書。当事務所で作成することができます)
- 会社の実印(当事務所で、委任状・印鑑届出書などにご捺印いただきます)
- 委任状(当事務所で作成することができます。)
※ケースによって別途ご用意いただく場合もございますので、事前にご相談ください。